薬学部薬学科
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薬学科 薬学部の学び
 
 教育理念である人間尊重とホスピタリティの探求・実現を基盤に、人間社会学部・健康管理学部との連携も図りながら薬剤師国家試験100%合格を目指し6年一貫の薬学教育を実施。地域の保険・医療サービス、チーム医療、国際医療、薬品研究に貢献する薬剤師を育成します。
 
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1年次
 
1年次テーマ
 
 まず、全学共通科目を履修することで、「人間尊重」および「ホスピタリティ精神」の基本的教養を身につけます。「茶道文化」「英語演習」「コンピュータ基礎演習」などで教養や人間性を高める他、高校時代の理科や数学の復習的な科目といえる「基礎の生物学」「基礎の化学」「基礎の数学」なども用意して、これらを深く学べなかった新入学生も再学習する機会が設けられています。また、大学教育の導入として「教養セミナー」を開講。学生6〜8名程度の少人数ゼミ形式の授業で、読む・書く・発表するといった基本的な技能を学ぶ他、並行して病院や薬局見学などの実践面での経験も積みます。
 もちろん1年次から薬学関連科目が設置してあります。たとえば「薬学入門」などの導入科目をはじめ、「基礎薬学科目」として「分析化学」「薬化学総論」「機能形態学」などを学習し、薬学の専門学習の基礎となる知識を修得。さらには「基本科学実習」などで、知識をより深めて薬学の基盤となる技能を修得するのも1年次です。

ピックアップカリキュラム(全学共通科目)教養セミナー  
 薬学部の専任教員全員が担当して授業を行います。6〜8人の少人数のグループで学内の研究実験室を訪れ、教員との対話を通して薬学を学ぶ意義を理解します。また、健康栄養学科、社会福祉学科の学内の実習や、学外の病院・薬局における薬剤師および医療関係スタッフの業務を見学するなど、学内外で体験学習を行い、各セミナーごとに意見発表や討論を行います。

ピックアップカリキュラム(全学共通科目)基礎の化学  
 あらゆる物質の構造・性質・反応などを学ぶ化学という学問は、薬学や医学・栄養学をはじめとした幅広い分野の基礎知識が必要とされます。基礎を学ぶことによって、専門科目を修得するための土台づくりがなされ、地球環境や資源・エネルギー問題、さらに生活習慣病の問題など、現代社会が直面するさまざまな問題を具体的に理解すると同時に、その解決への道を模索する能力が身につきます。

ピックアップカリキュラム(全学共通科目)薬学入門  
 薬学の歴史、近代薬学の成り立ち、薬と社会の関わり、現代における医薬品の創製・生産・管理の仕組み、医薬分業の意味、チーム医療における薬剤師の役割と職能倫理、医薬品産業の現況などについて解説します。2年次以降に修得する専門領域の科目と薬学との関わりが理解できるとともに、チーム医療の持つ社会的責務、さらに「くすり」とは何かという基本問題についても知ることができます。

 
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2年次
 
 
 全学共通科目および薬学の導入科目に加え、薬学の専門分野(学科専門科目)である「基礎薬学」の授業が多くなり、学習の主体になってきます。基礎薬学は、「物理系」「化学系」「生物系」での3領域で構成。たとえば「薬品物理化学」「生薬学」「生化学」などを学んでいくことになり、加えて、授業と直結する「物理化学実習」「生薬学実習」「生化学実習」など、実験・実習がより充実することも特徴で、授業で学んだ知識を確認し、関連する技能を修得できるようになっています。
  薬学の授業では、「物質(モノ)」と「人」の科学の分野を総体的に学びますが、2年次では「物質」の学習がメイン。したがって、中には一見すると薬学とは関わりのない、あるいは薬剤師とのつながりがイメージできない科目もあるかもしれません。しかし、実はどれもが大切な授業。薬学の基礎をなす骨格であり、薬学には不可欠な科目であることを理解して、学習に取り組むことが大切です。

ピックアップカリキュラム(物理系薬学)薬品物理化学
 化学現象の法則性を明らかにし、それを通して自然現象に対する理解を深め、薬学分野の現象の理解力と応用力を身につけます。具体的には、化学結合(結合の成り立ち、軌道の混成、分子軌道等)、分子間相互作用(静電相互作用、分子間力、双極子間相互作用等)、原子・分子(電磁波の性質及び物質との相互作用、分子の振動、回転、電子遷移、スピンとその磁気共鳴等)について学びます。

ピックアップカリキュラム(化学系薬学)有機薬化学  
 生命体の構成要素は有機化合物で成り立ち、生体内のさまざまな化学反応で新たな有機化合物を生み出します。本科目ではさまざまな有機化合物について、基本骨格となる炭化水素の構造と性質を学習した上で、有機化合物の生体内における反応などを解説します。さらに、医薬品などに見られる有機化合物の性質や反応性、合成方法などを学び、医薬品や医療分野で活用される高度な有機化学的知識を身につけます。

ピックアップカリキュラム(生物系薬学)生化学  
 生命の基本単位としての細胞の成り立ちを分子レベルで理解するために、主に五大栄養素(タンパク質、糖質、脂質、核酸、ビタミン・ミネラル)の分子構造、性質、機能に関する基本的知識を修得し、これらの栄養素の働きで得られる生体エネルギーにより生命活動が支えられていることを理解します。また、生命のプログラムである遺伝子を理解するために、遺伝情報の伝達と形質の発現調節などについて学びます。

 
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3年次
 
3年次テーマ
 
 2年次でも学んだ基礎薬学の分野を引き続き学習。「機器分析学」「薬品製造学」「分子生物学」などを履修しながら、基礎を徹底的に鍛えます。また3年次は、人と薬との関わりを学ぶ「応用薬学」の科目が徐々に増えていく学年です。つまり、物質(モノ)に人はどう反応するのかという、生体と物質の関わりを学ぶ、いわば臨床を意識した前段階学習といえます。
 応用薬学には、「健康と環境」「医薬品をつくる」「薬と疾病」などの幅広い専門科目領域が設けられています。
 たとえば、「衛生化学」「薬理学」「薬剤学」などの科目を学んで、臨床方面へと広がる薬の知識を吸収していきます。
  さらに、「放射線化学実習」「微生物学実習」「免疫学実習」などのように、3年次も2年次と同様に実験・実習が豊富に実施されます。これらの実験・実習は必修科目で、学習はより厳しさを増しますが、しっかりと集中して履修することが大切です。

ピックアップカリキュラム(健康と環境)衛生化学  
 疾病の予防と健康の維持・増進のために、環境と人間との関わりを解明する学問です。食品の役割や栄養価、生体の消化・吸収・代謝の過程などを学習した上で、栄養摂取の現状と問題点、栄養素の過不足による疾病について学習します。また、食中毒の原因や食品の腐敗や油脂の変質、発がん性物質をはじめ化学物質による健康被害や食品汚染などを学び、さらに衛生法規や行政に関する知識も修得します。

ピックアップカリキュラム(薬と疾病)薬理学  
 まず、薬物の起源や歴史、薬物とサプリメント、一般用薬品と医療用薬品、薬物の取り扱いと保管についてなどの基礎的事項を学び、薬物の安全性や薬物の投与とその吸収、薬の有害作用などについても学習。薬物が人間の精神活動や運動機能などの中枢神経に作用するメカニズムについても学び、動物実験の内容もふまえた知識および技能を修得します。

ピックアップカリキュラム(薬と疾病)薬剤学  
 投与された薬物は生体内動態(吸収、分布、代謝、排泄など)の過程で、常に生体に作用していますが、同時に生体もまた薬物に対して影響を及ぼしています。薬物治療において最も重要なことは、この過程における体内薬物量を正確に把握し、最も治療に適切な濃度域に調整することです。本科目では、体内薬物量の経時的な変化を速度論的に解析し、その結果に基づいた最適投与計画の設定などについて解説します。

 
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4年次
 
4年次テーマ
 
 4年次で履修する科目は、「薬剤師」としての実学的な内容が濃くなってきます。これは5年次より実施される、保険調剤薬局や病院薬局での「学外実務実習」に必要な基礎的知識と技能を修得するため。たとえば「調剤学」「薬物治療学」など、薬剤師として働くためにも不可欠な知識を吸収します。さらに学内における「薬学実務実習」で学外実習のための基礎知識・技能を修得し、学外実務実習のベースにします。
  ただし、保険調剤薬局や病院薬局で行う実習を受けるためには、「共用試験」という関門をクリアしなければなりません。これは学外の薬局で仕事をするための、いわば「仮免許試験」と考えて下さい。共用試験では「知識」と「技術」の両方を試されることになり、薬学の基礎知識、薬剤師としての人間性、患者への対応などを判断材料に合否が判定されます。このように4年次は大事な学年となりますが、カリキュラムにそって履修科目をしっかり受講すれば、実務実習の現場でも戸惑うことのない自信を得ることができます。

ピックアップカリキュラム(薬と疾病)臨床生理学  
 さまざまな疾病の病態を解説するとともに、診断に必要な臨床生理学検査の目的、機器の取り扱い、検査対象、疾患の概説、患者の心理と患者への対応について学習します。脳波、心電図、心エコー図、脈波などを中心に、それらの生体信号、画像などから得られる情報とは何か、それらが意味するところは何かなどを通して、疾病の診断と治療における検査の意義と重要性を理解します。

ピックアップカリキュラム(薬と疾病)疾病学  
 人体を構成する器官系の恒常性が、何らかの内的および外的な原因によって破綻することで引き起こされる代表的な疾患を取り上げ、概念、病態生理、診断法、治療法を詳細に述べるとともに、個々の臓器の正常と異常および異常となる機序を正確に理解します。各種疾患の概念や病態生理を正しく理解することによって、疾病の治療に用いられる医薬品ばかりでなく、医療全般を大きく把握することになります。

ピックアップカリキュラム(薬と疾病)薬学実務実習(学内)  
 学外で行う実務実習の事前教育として学内実務実習という位置づけで行うもので、モデル薬局(模擬薬局)・モデル病室・モデル調剤室などを使用し、薬剤師としての実務経験者が講師として調剤や服薬指導など、実際の業務をシュミレーションします。

 
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5年次
 
5年次テーマ
 
 保険調剤薬局や病院薬局で半年間の「薬学実務実習」を実施します。実務実習に加えて、薬学6年制教育の充実を図るアドバンスト教育として本学独自の「人間」と「健康」をキーワードにした教育を展開します。これは既設の「人間社会学部」と「健康管理学部」との連携によって、今までは学習しなかった分野の履修を可能にしたもので「食と薬」「ヘルスカウンセリング」などの先進的な科目が用意されています。薬剤師の専門知識以外に「人との関わり」「健康と食物の関係」を深く学ぶことにつながり、将来高い資質を持つ「健康維持・増進アドバイザー」として活躍できる知識と技能を修得します。

ピックアップカリキュラム(健康と環境)食と薬  
 現在の医療の大部分は薬物療法に依存していますが、栄養状態の管理も治療効果や治療後の経過に大きな影響を与えます。近年の健康志向の高まりに伴い特定保健用食品などが数多く登場したことで、食品と薬物との相互作用が原因で何らかの不利益が生じる場合も知られるようになりました。そこで、食品と薬物の相互作用について、医薬品が食に及ぼす影響と食物成分が薬効に与える影響についてなどを解説します。

ピックアップカリキュラム(薬学と社会)ヘルスカウンセリング  
 生活習慣病、予防と健康増進、QOL、Well-being、喫煙、飲酒肥満、運動、栄養、性、老いと死…といったキーワードから現代の健康問題を考え、ヘルスカウンセリング分野でよく取り上げられる交流分析、論理情動療法を通じて心理学との関係を学びます。また、健康の維持・増進を図る上で、重要な医療・保健・福祉・教育・地域のヘルスケアシステム等の問題についても考えます。

ピックアップカリキュラム薬学実務実習(学外)  
 薬局の持つ社会的役割と責任を理解し、地域医療に参画できるための実務実習です。調剤の全体的流れを理解し、処方箋の受付から調剤報酬請求までを把握。また、処方箋記載の妥当性の判断や疑義照会の行い方、調剤技術の修得、監査業務等の技能を身につけるとともに、薬局で取り扱うアイテムの管理の他、地域における多様な薬剤師活動の理解を図ります。

 
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6年次
 
6年次テーマ
 
 本学薬学部の目標は、「薬剤師国家試験」の100%合格。6年次は、その目標を達成するための学年です。卒業直後の「薬剤師国家試験」を見据えて、今まで学んだ薬学のすべての範囲を網羅し復習する「演習」を多数開講します。この演習は正規授業の時間外に「薬剤師国家試験対策」として実施されるものです。
  もちろん「介護概論」「実用薬学英会話」「健康薬学」などのアドバンスト教育科目をさらに充実し、より高度な技能を有する薬剤師および健康維持・増進アドバイザーとしての資質を深化させます。また6年次は、今までの講義・演習・実験・実習を通して得た薬学の専門知識をさらに高めることを目的に、関心のあるテーマを設定し研究活動(実験)を行い「総合演習」として締めくくります。その研究成果をまとめた卒業論文を作成し、6年間の学習の集大成として提出することになります。

ピックアップカリキュラム(薬学と社会)実用薬学英会話  
 全学共通科目で学ぶ「英語」や「薬学英語」の知識をふまえ、医療現場、薬学関連の研究、ビジネスで用いられる基本的な英会話を演習(ゼミ)形式で行います。この授業の目的は英会話、ヒアリングの技能を修得すること。学内の模擬薬局や模擬病院を利用して、少人数のグループによりさまざまな状況を想定しながら学習を進めます。

ピックアップカリキュラム(薬学と社会)薬事関係法規  
 薬剤師の役割や薬剤師を取り巻く法律を学ぶとともに、日本の社会保障制度のしくみをはじめ、医療保険制度、介護保険制度、高齢者医療保険制度の成り立ち、しくみ、種類、現状、問題点について学習を進めます。さらには、国民医療費の動向、保険医療と薬価制度、診療報酬と薬価基準、医療費の内訳、薬物治療の経済評価手法についてを学びます。

ピックアップカリキュラム総合演習(卒業論文)  
 1〜4年次において一連の薬学専門知識を修得したことをふまえ、さらに深い専門性を身につけるために、5・6年次に専任教員の指導のもと、学生自らが研究の目的・方法を考えて研究活動を行います。この演習を通じて大学院進学や創薬に携わる研究・開発職を目指す上で必要な問題発見・解決能力を養うだけでなく、さまざまな職種・職場で遭遇する問題に対処する能力を身につけます。

 


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