研究内容







     生物は分化の程度に応じて、何らかの形で外界の物理的あるいは化学的刺激(情報)を受け止め、処理する仕組みを備えています。 この情報システムを巧みに作動させることによって、環境の変化に対応した生命活動を営んでいます。そこでは、きわめて多彩な外界情報が的確に受容され、次いで変換・増幅され、膜を介して目的の機能が発揮されています。 優れた医薬品の開発は、薬学が担う大きな使命であります。
     しかし、薬物療法の進歩に伴い、微量で大きな治療効果を有するが、副作用も大きい薬物が多数開発されています。薬物を効果的に使用するためには、一定の血中濃度を維持しなければならず、現在多量の薬が投与される傾向にあります。このため、特に体力が減少している癌患者等において重篤な副作用がしばしば惹起されます。これを回避するためには低濃度の薬物を目標細胞に効率よく送達することが必要不可欠です。当分野は生体コロイド系を対象とした界面科学であり薬物と生体高分子系との相互作用機構の機序解明を目的としています。界面における分子認識等、即ち外界からの刺激(情報)を生体系がどの様な形で受容するかを分子レベルでの解明することを目的として研究を進めています。薬物送達系及び代替血液系の開発研究、並びに疾病(特に呼吸窮迫症候群)に対処する治療法の開発を基礎及び応用面の2面から国際共同研究に取り組んでいます。更に、薬剤を包埋する基材、特に目標細胞に到達するための機能が人工膜表面に付与された薬剤機能材料等の開発も行っています。


研究プロジェクト:

  1:生体中酸素輸送(代替血液)、診断、薬物送達(DDS)における新規炭化フッ素含有薬物の合成及び物性

  




































  2:生体コロイド及び界面科学





























  
3:呼吸窮迫症候群(RDS)に対するサーファクタント補充療法

























 
 4:糖鎖構造を導入した機能的薬物輸送担体の開発


 
 5:水の蒸発抑制及び制御